ディズニーは高い、昔は良かった、ディズニーは高くて行けない、値上げしすぎている…そんな声があり筆者もそう考えていました。子どもにせがまれ20年ぶりに東京ディズニーリゾートへ行き、筆者が大好きだった昔のディズニーを思い返し、感じたことを書き連ねてみます。
私がディズニーランドに頻繁に訪れていたのはまだ小さなころの話で、当時は入園券だけもあったし、ワンデーパスでも4,000円前後、アトラクションチケットがAからEまで分かれていて、ビッグ10というセットもありました。
あの時代は、サクッとディズニーに行って、好きなアトラクションとパレードやショーを楽しめる場所だったんです。
私が最後に東京ディズニーリゾートを訪れたのは2001年、シーのオープン。それ以来20年ぶりに親になって訪れた東京ディズニーランドはワンデーパスが8,000円台と、私がディズニーに親しんだ1980年台の倍…!
ディズニーは高い、値上げしすぎ、貧乏人を切り捨てたのかなどなど、意見が様々飛び交う中、1980年台のディズニーを思い出しながら、私が感じた事をまとめます。
ディズニーは高いから行けない、かつて我が家もそう考えていました
私は1980年台、ディズニーランドがオープンして間もない頃に、割と頻繁にディズニーランドに行っていました。
最初に行った時は家族全員で入園したと思います(よく覚えていない)。
でも次第に父は乗り物に乗らなくなって(場所取りとかしていた気がする)、母と私たち姉妹で乗り物に乗るようになりました。
昔のディズニーは良かったよね、なんて思ったことも
当時はまだ入園券だけ買って中に入る事ができたし、パレードやショーメインで楽しむとか、ちょっとだけアトラクションに乗るとか、1人1人のペースでディズニーを楽しむことができたんですね。
2,500円で入園して、パークの雰囲気を楽しんだり散策しながらのんびり過ごせた時代、今考えると最高過ぎますね♡
当時でも、ディズニーランドは普通の遊園地とは少し違う特別な場所だったと記憶しています。
社会に出て、当時でも自分たちのお金でディズニーに行くのはなかなか難しい事だと実感したし、当時は違う遊びに夢中で、すっかりディズニーから遠ざかっていました。
ディズニーシーがオープンしたというのでしばらくぶりに(この時点でも10年振りとかかな)ディズニーへ行った私ですが、混雑っぷりに辟易して、ディズニーシーの中の電車だけ乗って帰ってきた記憶がある…
当時私が感じたのは、「昔のディズニーとは変わっちゃったなぁ」という事でした。今考えればもったいないというか、ナニサマな事を思ったもんだw
なんとなく遠い存在になってしまったディズニーランド。
ディズニーシーに行った時、私は自分が子どもを産むことなど考えてもいなかったので、「きっともうディズニーに来ることはないだろうな」なんて感じながら、シーを後にしたのです。
「あんなに混む場所に高いお金を出して行くなんて」
それから十数年、私は子どもを産み母になりました。
すると、今まで避けてきたディズニーに接する事が増えてきたのです。
息子が赤ちゃんの頃はまだマシだったけど、大きくなるにつれて、義母からディズニーに行こうと言われる事もあったし、幼稚園のおともだちがディズニーに行ったと息子が聞いてきて、それとなく興味を示されたり。
私にとってのディズニーは、最後に行ったあのシーでの大混雑。待ち時間が長すぎてアトラクションに乗る事が出来ず、レストランに入る事も出来ず、
ただぶらぶらするためだけに5,000円余りを払った状態の、あの日のイメージが上書きされていたんですね。
ディズニーは高い。
だから行けない。
私は子どもを産んだあともずっとそう思っていたし、なんなら「あんなに混雑する場所に高いお金を出していくなんて気が知れない。コスパ悪すぎでしょ」とさえ思っていたのです。
ディズニーは値上げし過ぎ?今の私が思うこと
コロナ禍、TDRがキャパシティコントロールがなされている中、2021年は価格変動制が取り入れられ、パークチケットが値上がりしました。
我が家はまさにこの前後、キャパシティーコントロールされているTDRで子どもをディズニーデビューさせて、私は20年振りにTDRを訪れたのです。
そしてキャパシティコントロールがなされている頃、ディズニーキャストさんやダンサーさんの賞与や雇用問題が取り沙汰されたんですよね。
この時にも「あんなにワンデーパスも食事も何もかも高いのにボーナス減らすの?!」なんていう人もいました。
でも超久し振りに実際に行ってみて、今までの私の考え方がガラッと変わったんです。
ディズニーのクオリティは格別だと感じる
我が家はいろいろなテーマパークに行きました。
どのテーマパークもそれぞれの良さや楽しさがあるし、スタッフの方々に良くしていただいた事が多くて、本当に楽しい思い出がたくさんあるんです。
だからこそわかるんですけど、ディズニーほど「裏側」を見せないテーマパークはないな、とディズニーに久し振りに行って感じたんです。
多くのテーマパークは、どこかで1回ぐらいは「裏」を目撃してしまうんですね。
裏っていうのはなにも舞台裏の事ではなく、たとえばスタッフの方がものすごい疲れ果てた様子だとか、運行休止のアトラクションがブルーシートで覆われているとかですね。
もちろん、スタッフの方が疲れ果てた様子なのはスタッフの方のせいではないし、そのテーマパークの勤務形態に問題があるのかもしれないし軽い熱中症なのかもしれません(だとしたらものすごく心配)。
ブルーシートだって悪いといっているわけではなくて。
こういう風に、多くのテーマパークでは、裏を垣間見てしまう瞬間があります。そしてそれは別に悪い事ではないと私は思っているんです。
でも、ディズニーにはそれが一切ないんですよね。
裏を垣間見る瞬間は…財布を出す時ぐらいですかね…w
でも次の瞬間にまた、没頭してしまう魅力があるのも事実。
このクオリティを維持しようと思ったら、どのテーマパークも1万円に迫る価格帯になるのではないかと感じました。
昭和40年の1万円は令和2年の2万円相当!
そして、値上げと切っても切り離せないのは物価の上昇と、お金の価値の変化ではないかと思います。
モノによって価格の上昇率がまちまちなので、簡単に言えることではないですが、
日銀の「教えて!にちぎん」では、昭和40年の1万円は令和2年の2万円相当だと解説しています。
さらに、消費者物価指数では4.2倍なので、それに当てはめると昭和40年の1万円は現在の4.2万円相当という事になりますね…
企業物価指数を見ると、令和2年の物価は昭和40年の約2.0倍なので、昭和40年の1万円は令和2年の約2.0万円に相当する計算になります。また、消費者物価指数では約4.2倍なので、約4.2万円に相当するという計算になります。
引用元:教えて!にちぎん
比較が昭和40年なので差はもう少しマイルドだとしても、物価が上昇してお金の価値が変わっていく中で、値上げは当然の事なのです。
最低賃金の上昇と比較してみました
そしてもっとわかりやすいのが、最低賃金の推移。
東京ディズニーリゾートがある千葉県の最低賃金を、オープン当時と現在で比較すると…
このように、最低賃金も約倍に上昇しているのです。
面白い事に、TDRのパークチケットの値上げの推移は最低賃金の推移と近いものがあって、
2001年の最低賃金は676円で、ディズニー開園当時の約1.6倍。ワンデーパスポートは3,900円から約1.4倍の5,500円に値上げされているんですね。
調べていたらノリノリになってきたので、表にしてみました。
ワンデーパス ()内は値上がり倍率 | 最低賃金 ()内は値上がり倍率 | |
---|---|---|
1983年 | 3,900円 | 417円 |
1987年 | 4,200円 (1.07) | 469円 (1.12) |
1989年 | 4,400円 (1.12) | 503円 (1.20) |
1992年 | 4,800円 (1.23) | 576円 (1.38) |
1996年 | 5,100円 (1.30) | 635円 (1.52) |
1997年 | 5,200円 (1.33) | 650円 (1.55) |
2001年 | 5,500円 (1.41) | 676円 (1.62) |
2006年 | 5,800円 (1.48) | 687円 (1.64) |
2011年 | 6,200円 (1.58) | 748円 (1.79) |
2014年 | 6,400円 (1.64) | 798円 (1.91) |
2015年 | 6,900円 (1.76) | 817円 (1.95) |
2016年 | 7,400円 (1.89) | 842円 (2.01) |
2019年 | 7,500円 (1.92) | 923円 (2.21) |
2020年 | 8,200円 (2.10) | 925円 (2.21) |
2021年 | 8,700円 (2.23) | 953円 (2.28) |
2022年 | 7,900円 (2.02) 9,400円 (2.41) | 984円 (2.35) |
こうして比べてみると、最低賃金の値上がり推移よりもTDRのワンデーパスポートの値上がり推移の方が緩やかな事に気付きます。
ワンデーパスポートだけで考えると、2016年ぐらいまでがむしろ実質据え置きに近い状態で、2021年の今では適正価格になった、と考える方が自然なのではないかとすら感じますね。
入園者数は年々増加しているので、その分「高いお金を出して行ったのに、ろくにアトラクションに乗れなかった」という不満を抱く人が増えて行くのはまた別問題。
簡単に考えて、ディズニーだけがひどい値上げをしているわけではないという事がわかります。
ディズニーは高い?日本国内の遊園地と比較してみた
それでは、他のテーマパークと比べるとどうでしょうか。…とどこまでも追及していくわたし…
ちょっと気になったので、思い当たるテーマパークのワンデーパスポートを書き出してみました◎
なお、
- アトラクションがあるテーマパーク
- 平日・休日料金がある場合は休日料金で比較
- 思い浮かんだ場所をランダムにピックアップ
- 大人料金で比較
以上の感じで書き出しています。
1デーパスポート (または類似チケット) | |
---|---|
ユニバーサルスタジオジャパン | 8,700円 (変動アリ) |
サンリオピューロランド | 3,900円 |
よみうりランド | 5,800円 |
東京ジョイポリス | 4,500円 |
八景島シーパラダイス | 5,500円 |
富士急ハイランド | 6,200円 |
ぐりんぱ | 3,700円 |
さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト | 4,300円 |
西武園ゆうえんち | 4,000円 |
ハウステンボス | 7,000円 |
東京ドームシティ アトラクションズ | 4,200円 |
以上でした!
関西で満足度ナンバーワンのユニバーサルスタジオジャパンは、TDRと同じぐらいの価格帯、
ぐりんぱやサンリオピューロランドなどが4,000円未満とお手頃価格ですね♡
一概に比べられるものではありませんが、どうでしょう。
確かにディズニーは(USJを除いて)普通の遊園地と比べると高いですけど、他の遊園地と同じぐらいの価格であのパレードやショーを維持していくのは無理難題じゃないかと私は感じるんです。
問題は高い事ではなく、混みすぎること&そして情報戦であること
私が20年振りにTDRに行った時、私自身はリサーチ大好き人間になっていて、事前に色んなことを調査して、当日は楽をする、というのが旅の定番スタイルです。
でもかつての私は、身1つでその時行きたい場所にふらっと行く事が大好きだったんです。
子どもが産まれて、それが難しくなった今、子どもと一緒でも楽しめるように事前準備を怠らないようになってきたからこそ、20年振りのディズニーを楽しめたと言っても過言ではありません。
今のTDRは情報戦ともいえます…
今のディズニーに行こうと思ったら、まずチケット争奪戦に打ち勝たなくてはなりませんね。
そうそう、その前に人気のレストランはプライオリティシーティングで席を確保しておかないと。
2021年6月1日はソアリンのスタンバイパスが40分で発券終了になりました。「少しゆっくりシーに行って、ソアリンに乗れればいいや♡」と思って行ったら、乗れない…ってことがあり得るのです…
自分が行く日に、アトラクションの抽選があるかどうかも把握しなくてはならないし、抽選を受けるならどの時間で抽選をするかも考えなくてはなりませんね。
まわる順番如何では、気付けば3つぐらいしか乗れなかったー!とか、どうしても乗りたいアトラクションに乗れなかった…なんていう事もあり得るのが、今のTDRなのです。
思うように乗れなかった、楽しめなかったら「8,700円も出したのに…」と思って当然ですよね。
でも、先ほどからお伝えしているとおり、ショーやパレードのクオリティを維持するためには、物価の上昇と同様に、開園当初と比べて倍の価格になるのは致し方ないこと。
TDRは世界のディズニーテーマパークと比較して安い!なんていう話もありますし、
これ6,000円台だったら今よりものすごい混んで顧客満足度は低下すると思うので、その辺のバランス的に「いい感じのぎりぎりの価格」なのではないかと思うのです。
じゃぁ逆に20,000円にしたら?入園者数は少しは減るかも知れません。
でも今度は「貧乏人は切り捨てた」な~んて言う人が出てきますよね(今でもいますけど)。
この通り、なかなか難しい問題なのでしょう!
確かにお金はかかります。
でも、あの感動はやっぱり唯一無二だと思うのです。
さいごに
私は、ディズニーは高くはないと思います。
今まで散々、「あんなに混む場所に高いお金出して行くなんて…」と思っておきながら手のひら返しですけどもw
私は特別ディズニー通でもマニアでもありません。キャラクターグッズも持っていません。
でも、ディズニーランドとディズニーシーは好きです。
空いている時期を選んで行けば、今の価格でも満足度は高いと思います。
ただ混雑する時期に行ってしまうと…キツイかも知れない。その辺の計画がカギになってくるかも知れませんね。
特にイベントなどに興味がないようなら、イベントのない期間を選んで行けばきっと素敵な1日になると思うんです。
今日は、ディズニーの値上げについてお話してみました♡